カオスゲーム

多角形の中で「頂点を選び、その方向へ決まった比率だけ進む」を繰り返します。単純なルールから、点の打たれない穴が少しずつ現れる様子を観察できます。頂点数と比率、頂点の選び方を変えて試せます。

頂点の選び方
3 角形
0.500 (推奨)
プロット中1頂点数・比率・選び方・点の太さを変えると描き直します

ルール

  1. 正 n 角形の中に、最初の点をランダムに置きます。
  2. n 個の頂点から 1 つを選びます (ランダム、または順番に 1 つずつ)。
  3. 現在の点と選んだ頂点を結び、その線上で比率 r の位置に点を打ちます。
  4. 補助線を消し、新しい点を現在の点として繰り返します。
Pk+1=Pk+r(VkPk)P_{k+1} = P_k + r\,(V_k - P_k)

三角形で r=1/2r = 1/2 としたものが、いちばん有名な シェルピンスキーの三角形です。

なぜ穴が残るのか

どの頂点を選んでも、新しい点はその頂点側の縮小コピーの中に入ります。三角形で r=1/2r = 1/2 のとき、3 つのコピーは辺の中点でだけ接し、中央の逆向きの三角形には 最初の移動から入れません。同じことが小さなコピーの中でも繰り返される ため、自己相似な穴が現れます。

頂点数と比率の関係

比率 rr だけ進むと、多角形は倍率 s=1rs = 1 - r の縮小コピーに写ります。コピーどうしが重なるほど模様は潰れ、離れす ぎるとばらけます。n 個のコピーがちょうど接する倍率は次の式です。

sn=12+2k=1n/4cos2πkns_n = \frac{1}{2 + 2\sum_{k=1}^{\lfloor n/4 \rfloor} \cos\frac{2\pi k}{n}}

n = 3 で 1/21/2、n = 5 で (35)/2(3-\sqrt{5})/2、n = 6 で 1/31/3、n = 8 で 12/21-\sqrt{2}/2 という既知の値と一致します。「推奨比率」はこれを進む量に直した rn=1snr_n = 1 - s_n で、いまは n = 3 なので s = 0.500 r = 0.500 です。r=sr = s になるのは n = 3 だけなので、三角形の 感覚のまま他の n に持ち込むと潰れます。

n = 4 だけは例外に見えます。推奨比率が 1/21/2 になり、4 つのコピーが正方形をすき間なく敷き詰めてしまうため、模様が 出ずに塗りつぶされます。これは式の誤りではなく正しい答えで、正方形は 推奨比率より大きい r にして初めて構造が見えます。スライダーを上げて試してください。

ランダムをやめるとどうなるか

「順番」に切り替えると、頂点を A → B → C → A … と巡回して選びます。 選び方が決まりきっているので点は n 周期の軌道に吸い込まれ、数点が 残るだけで模様は現れません。同じ縮小コピーの仕組みでも、 どの頂点を選ぶかが独立にばらつくことが、フラクタルを埋めるために 必要だと分かります。